「SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜」は、
1999年と2001年にイギリスのテレビ局チャンネル4で放送されたシットコムです。
後に、「スリー・フレーバー・コルネット三部作」で世界的人気を得ることになる、
エドガー・ライト、サイモン・ペッグ、ニック・フロストのトリオが制作・出演しており、元ネタともいえる部分も多くある作品です。
目次
「SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜」の概要
エドガーライトが監督をし、主演のサイモン・ペグとジェシカ・スティーブンソンが脚本を書いたシットコムです。
スペースド以前にも、サイモンとジェシカは共演しておりエドガーが監督した作品への出演もありました。
予算こそ少なかったらしいですが比較的自由に制作させてくれたそうです。
シーズン2では予算は多少増えたらしく、シーズン1も予想以上の人気を獲得し、
スペースドはそれぞれの出世作かつ代表作ともいえる作品になりました。
「SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜」の登場人物
基本的に1話完結のコメディドラマのスペースドには、
主人公ふたりの他に4人のレギュラーキャラクターがいます。
スペースドの物語を展開していく、メインキャラクター6人を紹介します。
ティム・ビズリー:サイモン・ペグ
サイモン・ペグ演じるティム・ビズリーは主人公のひとりです。
1974年9月17日生まれ、両親はジョンとジリアン、妹にケイティ。
親友はミリタリーオタクのマイク。
ブラジル・ナッツのアレルギーを持ち、79年と94年のクリスマスの記憶がない。
夢はグラフィック・アーティストで、あこがれはダークスター・コミック社。
デザインの仕事もしてはいるが食えないのでコミック・ショップで副店長の肩書でバイト中。
X-ファイルのスカリー好き、SFファン、スケボー好き、音楽とゲーム好き。
元カノは美人のサラ。
下着はボクサーブリーフ。
デイジー・スタイナー:ジェシカ・スティーヴンソン
もう一人の主人公、ジェシカ・スティーヴンソン演じるデイジー・スタイナー。
1975年生まれ、両親はベンとエミリー、兄と妹がひとりずつ。
大卒。
ハル大学に通う本物の彼氏と遠距離恋愛中。
夢はジャーナリスト。
親友は自称ファッション関係の仕事をしているツイスト。
決まった化粧品はなし。
ネズミとクモが苦手。
マーシャ・クライン:ジュリア・ダーキン
マーシャは二人が住む家の大家です。
酒と煙草をよく嗜み、Aカップの悪魔のティーンエイジャーの娘アンバーとよくケンカをしています。
ティムとデイジーがカップルであると思い込んでいます。
また、ブライアンに対して意識している部分があります。
ジュリア・ダーキンは、スリー・フレーバー・コルネット三部作にも出演していますね。
ブライアン・トップ:マーク・ヒープ
ブライアンはティムとデイジーの部屋の下に住む画家です。
怒り、痛み、恐怖、敵意、をモチーフにした芸術活動をしています。
マーシャに迫られてる感じもありますが、ツイストと一時良い仲に。
神経質で人付き合いが苦手な感じもありますが、しょっちゅう部屋に訪れたり出掛けたりしています。
ティムとデイジーがカップルのふりをしているのに気がついていながら、
マーシャにウソがバレないように協力もしてくれています。
マイク・ワット:ニック・フロスト
ニック・フロスト演じるマイクは元イギリス国防義勇軍の兵士のオタクとして登場し後に軍に復帰。
現実のサイモン&ニック同様にティムの親友というポジションです。
ニックはスペースドが役者としての初仕事で素人が突然テレビに出たという状態です。
サイモンの強い希望でただのウエイターをしていたど素人のニックがマイク役をこなしています。
ニックの人気が徐々に出たらしく、ちょい役、ワンポイントみたいな感じから、
中盤はけっこう出て、全員ギャグキャラみたいなスペースドの中でも目立ったギャグキャラクターとなっています。
ツイスト・モーガン:カティ・カーマイケル
クリーニング屋に勤める口悪く口うるさいデイジーの親友です。
ファッション関係と見栄を張り、ナチュラルに皮肉や嫌味を言う女。
何故デイジーと親友なのか理解不能だが友情はある模様。
ブライアンと一時良い仲になります。
ジャバを姫だと思ったり、若干天然な部分がある感じもします。
1999年:スペースド・シーズン1の全エピソード紹介!
当初は6話予定だったらしいですが、シーズン1は7話制作されました。
スペースドは出世作にもなり、カルト的人気を誇るまでになりましたし、
ニック・フロストのデビュー作ともいえるのでスペースドのシーズン1は必見です。
第1話:BEGINNINGS
偶然にも同じ時期にティムは彼女にフラれ家を追い出され、デイジーは軽率な行為で友人宅に居づらくなってしまいます。
カフェで相席になったティムとデイジー。
デイジーは引っ越しのために家を探していると話し、それ以降たびたびカフェで会話する仲になります。
まったく家が見つからないデイジーは泣き出してしまいましたが、その時たまたま良い条件の物件を見つけます。
ですが、条件にはカップル限定とありまた泣き出してしまいます。
そこで、ティムは家がない男友達とカップルを偽装して借りれば?と提案し、心当たりはないか?と聞きます。
デイジーは、ひとり心当たりがいると満面の笑みで困惑するティムを見つめ返します。
ふたりは、家を借りるために急造にカップルになる偽装をし家を借り、引っ越して住み始めるまでが第1話になります。
第2話:GATHERINGS
仕事に身の入らないデイジーは部屋が散らかっているからだと言い、部屋をティムと片付けます。
片付け終わっても仕事をする気にならないデイジーは引っ越しパーティをやりたいと言い出し、
デイジーはノリノリでパーティの準備を始め、マーシャとブライアンも誘いそれぞれの親友マイクとツイストも誘います。
マーシャの娘も同じ日に上でパーティを開催していて、どう考えてもデイジーのパーティは退屈で上の方が魅力的。
退屈なパーティにイライラしたティムはアンバーのパーティに向おうと言い、
マイク、ブライアン、ツイストが同意し、デイジーも連れて若者のパーティに乗り込んでいきます。
また、メインキャラクターが全員集合する初めての回であり、
パーティ中にブライアンに対してカップルではないとカミングアウトとデイジーとブライアンの接点ができる回でもあります。
第3話:ART
酒と安いドラッグを楽しんだティムはバイオハザード2をプレイしたこともあってか、
ゾンビと戦うイメージを見た感じで、デイジーに声をかけられます。
ゾンビの感じは、後のショーン・オブ・ザ・デッドを彷彿させる演出です。
デイジーは就職活動中で、不採用通知の嵐にイライラしていますが、女性誌からの面接の通知が来ます。
面接前にリサーチをし、緊張しまくったデイジーは一服を決めていざ面接へ。
面接の出来は散々でしたが、ブライアンの知り合いの芸術家ヴァルヴァのパーティにタダ酒目当てに出かけることに。
わけのわからないマルチメディアな芸術にティムは飽き飽きし、コネを作ろうとしたデイジーも失敗。
ショーが終わり、挨拶しようとしたが失敗し、ヴァルヴァに差をつけられ過去のことやらいろいろ言われプライドを傷つけられたブライアン。
その時、酒のせいかドラッグの残りの影響かティムはヴァルヴァ周りの人間がゾンビに見えて、
ヴァルヴァにパンチをお見舞いし脱出、その光景に感銘を受け救われたブライアンでした。
デイジーは女性誌からやはり不採用を食らい、その怒りをマルチメディアな芸術風に表現して終わります。
第4話:BATTLES
冒頭で、デイジーが遠距離恋愛をしていた彼氏から別れを告げられます。
別れの原因はデイジーの浮気でしたが、デイジーはショックを受けます。
ティムはティムで元カノから別れの理由を書いた手紙を受け取り苛立っています。
デイジーは、マーシャと気晴らしワインを飲みながらに話していましたが、フラれたショックで余計なことを言いってしまいます。
疑いを晴らすために誤魔化しで犬を飼おうと考えていると嘘をつき、実際に犬を飼うことに。
ティムはマイクとペイント弾を使ったサバイバルゲームに行き、
そこで、自分からサラを奪った男ドゥエインと再会します。
因縁ある二人は、サバイバルゲームで同じチームになりますが、ドゥエインはティムを狙います。
ティムとドゥエインは対決し、マイクもホット・ファズを彷彿させる大活躍で笑わせてくれます。
サバイバルゲームのこの回はシリーズ通しても面白く、ニックの人気が出たのも納得です。
デイジーが本当の彼氏と別れ、コリンと名付けた犬を飼うという回です。
第5話:CHAOS
コリンを飼う生活に犬嫌いのティムは、少々ストレスをためています。
デイジーはコリンを可愛がっていますが、コリンに謎の男がつきまとっています。
ティムはコリンの散歩をデイジーに頼まれて散歩に行きますが、
目を離していた隙に謎の男がコリンを誘拐してしまいます。
デイジーはティムがわざと逃がしたと思い込み怒りますが、ふたりはコリンを探します。
探しても探しても見つかりませんが、コリンは研究所に連れ去られたという手紙が届き
、ティムは、マイクらを呼びコリン奪還作戦を開始します。
第6話:EPIPHANIES
ブライアンの過去のトラウマの夢から物語は始まります。
自転車便で稼いでいる口の悪いクラブ好きの男タイアスが突然やってきて、
電話の音などの生活音でビートを刻み、踊り出しクラブの話をしまくりパーティに誘い、
嵐のように去っていきます。
ティム、デイジー、ブライアン、マイク、ツイスト、はタイアスの誘い通りにクラブに行き、
踊りまくります。
第7話:ENDS
デイジーとティムがくつろいでいるときに、元カノのサラから会いたいと突然の電話が。
ティムはサラに会いに行き、ドゥエインと別れたという話を聞き、ティムは寄りが戻れそうと浮かれます。
マイクは国防義勇軍に再志願するために面接に行き、見事合格。
また、ブライアンとツイストはデートに行きます。
家を出ていく可能性とティムが寄りを戻せなくて傷つくことを恐れ、デイジーはティムを冷静にさせようとします。
ですが、ふたりは口論になってしまいます。
デイジーは、ティムのスケッチブックを見て狂気的なイラストに困惑しますが、幸せがテーマの絵を見つけます。
寄りを戻さない決断をしたティムはデイジーをパブに呼び出し、
ふたりは一連のことを冷静に話し合い、仲直りをしダンスをしてシーズン1は幕を閉じます。
シーズン2があるかこの時は分かっていなかったんでしょうが、着地としてはこの後に話を続けることも可能だし、
終わったとしてもキレイに納まった最終回という感じです。
2001年:スペースド・シーズン2の全エピソード紹介!
シーズン1終了から2年、待望のシーズン2が制作されました。
この後にエドガーやサイモンらは映画の世界へと羽ばたいていきましたので、
シーズン3も期待されましたが、今のところここで完結となります。
第1話:BACK
シーズン1終了から帰ってきたということと、デイジーがアジア放浪の旅から帰宅してきたという設定で、
シーズン2は始まります。
主要メンバーは相変わらずの暮らしで、デイジーも旅行から帰ってきたというだけで設定に変わりはほぼないです。
話としては、デイジーが旅先で出会った男とカバンを取り間違えており、
マトリックスのエージェント・スミスをパロディしたマーク・ゲイティスらに追われるというお話です。
第2話:CHANGE
通常通り、マーシャとアンバーの親子喧嘩から始まりますが、
遂にアンバーが家を出ていくという事態になってしまいました。
ティムは、自分が気に入らない作品を購入しようとしていた客の子供にキレて店をクビになってしまいます。
デイジーも仕事がなく金欠でなので、ふたりで失業給付の申請に行くことにします。
ついでに、ブライアンはスランプで悩んでいますがツイストとはラブラブです。
ティムとデイジーは職安に行き、新たな職を探し、少しずつ変化が訪れてきます。
第3話:METTLE
ロボットコンテスト用のロボットを制作しているマイクとティム。
デイジーは職安で得た仕事をクビになり、新たな職場に行くことに。
デイジーは支配された職場で働き、ティムとマイクはロボットバトルに励み、
ブライアンは作品の発表の機会を得て、それぞれ奮闘します。
第4話:HELP
ティムが以前に持ち込みをして、不合格だったダークスター社から再度持ち込みのチャンスを得ます。
そこで、自転車便をしているタイアスに原稿の配達を依頼します。
ですが、1枚紛れてはいけない原稿をデイジーが入れてしまいました。
その原稿とはダークスターの社長のイラストでゲス野郎と書いてあるものです。
原稿を見られる前に、その原稿だけ先に抜き取るためティムとマイクとタイアスはダークスター社に忍び込む作戦を決行します。
第5話:GONE
若者の集団に絡まれているティムとデイジー。
話はその6時間後に遡り始まります。
ティムはダークスター社のソフィーと仲を深めており、デートの予定でした。
ですが、デートはキャンセルになり、デイジーと出掛けることになります。
ブライアンはツイストとの仲がうまくいかなくなっており悩んで愚痴りますが、マイクとティムのエア銃撃ごっこに巻き込まれます。
デイジーとティムはパブに向かい、酒とマリファナでご機嫌に。
トイレで話した若者と妙な具合になり、店から出ると追いかけられ冒頭に繋がります。
ティムとデイジーは若者をエア銃撃で撃退します。
第6話:DISSOLUTION
デイジーの誕生祝いでしたが、ティムとソフィーも関係がマーシャに見られ、
浮気していると勘違いされます。
デイジーとティムはカップルのふりをしていてマーシャはカップルと信じています。
誕生祝いの席でカップルではないと告げマーシャは怒って去っていきます。
ブライアンもツイストと別れ、ティムとデイジー、マイクの間にも変な空気が。
祝いの場のはずの席が修羅場と化してしまいます。
第7話:LEAVES
スペースドの最終回です。
マーシャは家を売り払おうとしており、自身も出ていってしまいます。
ツイストもマンチェスターに行ってしまい、ブライアンは混乱しています。
マーシャを連れ戻し、家を売るのをやめて今まで通りに暮らそうとティムらは奮闘します。
デイジーは去ろうとし、ソフィーもアメリカへ転勤に。
何が大切なことであるか気づいたティムたちは、
みんながバラバラになってしまう前に、マーシャに謝罪し、家に帰ってきてもらえるようにある作戦を決行します。
スペースドから映画界へ殴り込み!
スペースドは、続編の期待する声もありますがエドガーらは映画へと舞台を移し成功しました。
このことから英国のファンも彼らはより高みに行ったと続編がないことに納得しているようです。
確かに、映画でもスペースドのエッセンスは取り入れられていますし、
元ネタやキャストも出ていたりとスペースドのファンであれば映画も楽しめるでしょう。
映画というのは、
- ショーン・オブ・ザ・デッド
- ホットファズ
- ワールドエンド
の、スリー・フレーバー・コルネット三部作です。
日本では逆にスペースドのDVDは廃盤になっているので、映画からファンになった方も多いのではないでしょうか。
僕はたまたま中古でDVDを高くつきましたが手に入れられましたが、DVDを再発してほしいものです。
エドガーやサイモンの映画が好きな方なら、スペースドも絶対に好きになれますよ!
「SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜」面白い!
全14話しかないスペースドですが、様々なパロディやギャグがあり何度観ても楽しめます。
また、SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜のDVDにはエドガーやサイモンの制作人や出演者のコメンタリーの副音声や、
タランティーノ、ケヴィン・スミス、ビル・ヘイダー、マット・ストーンなどのゲストの駄話も収録されていて、
飽きさせませんし、トークだけでも面白いです。
いやぁ、再発してほしいです(笑)。
持ってるけど新品欲しいですからね。
とにかく百聞は一見に如かずですし、
レンタルや動画配信サービスで観ることもできるかもしれませんので、
言いたいことは、
「SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜」、オススメです!