「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」は、スリー・フレーバー・コルネット3部作の最後を締めくくる傑作です。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」と続いてきたサイモン&ニック主演、エドガー・ライト監督のシリーズです。
3作とも最高に面白いですが、最後を締めくくったワールズ・エンドはお気に入りです。
目次
映画:ワールズ・エンドのあらすじ・概要
公開 | 2013年 |
---|---|
監督 | エドガー・ライト |
主演 | サイモン・ペグ |
TOMATOMETER | 89% |
3部作の最後ということで、より豪華で派手になっています。
自分たちの好きな要素を詰め込んだって感じがします。
イギリスの文化といっていいパブですが、ラウンドとか、パブクロールって遊びなのか、よくわからない飲み方みたいなものが題材になっています。
地元の街にある12軒のパブをビールを1杯ずつ飲み干して回るというものです。
ビール1杯ならイケそうと思いますが、イギリスのビールはパイントグラス(約600ml)なので、12杯飲むと相当な量でキツイものです。
地元の幼馴染5人組が、高校生の時に挑戦して途中で断念してしまったこの計画を、20年経った今、リーダー格の男が再び行おうとすることから話が始まります。
長い月日が経って、街も友人も様変わりしていますが、地元の人や物が変わり過ぎてる部分があり、どんどんありえない事態に突入していくというSFアクションコメディになります。
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映画:ワールズ・エンドはノンストップで面白い
テンポがいいのもあるんでしょうけど、冒頭からずっと面白いまま終わります。
また、相変わらずフリも上手いし。
冒頭から地元に帰るまでの、どうでもいいようなボケてるだけみたいなシーンのセリフがフリとか伏線になりまくっていますよね。
街を真っ赤に染めてやるとか、五銃士、最悪、三銃士にはなれるとか。
これは、前作、前々作でもそうですが、やっぱ上手いことやってます。
ワールズ・エンドとは12軒目のパブのこと
ワールズ・エンドは世界の終わりって意味ですけど、主人公たちが目指しているワールズ・エンドはゴール地点になるパブの店名です。
このゴール地点にいろいろな秘密が隠されているのです。
12軒のパブは、
- ファースト・ポスト:始まり、出発などの意味
- オールドファミリア:昔馴染みなどの意味
- フェイマスコック:有名な、名高いなどの意味
- クロスハンド:乾杯、組手などの意味
- グッドコンパニオン:気心知れた仲間などの意味
- トラスティサーバント:忠実な召使などの意味
- ツーヘッドドッグ:ふたつの頭の犬などの意味
- マーメイド:人魚などの意味
- ビーハイブ:蜂の巣などの意味
- キングスヘッド:王の頭などの意味
- ウォールポケット:壁の穴などの意味
- ワールズ・エンド:世界の終りなどの意味
となっていて、店の名前ごとに関連したキャラクターやエピソードが巻き起こるという演出もされています。
基本は、この12軒を回るということですが、進めば進むほどトラブルも増しますし酔っ払いレベルも高まるわけです。
ただパブを回るだけのつもりが、どんどんおかしな事態になっていきます。
映画:ワールズ・エンドの主要な登場人物
ワールズ・エンドの主人公は5人組のキングと呼ばれているリーダーであるゲイリー・キング(サイモン・ペグ)です。
キングと呼ばれているのは名前だからです(笑)。
キングは酒好きで、酒に溺れている、高校生のままのような中年になっています。
そして幼馴染たちは、それぞれ大人になっています。
ゲイリー・キングと愉快な仲間たちのメンツは、
- 一番の親友であった弁護士のアンディ(ニック・フロスト)
- 建築士をしているスティーヴン(パディ・コンシダイン)
- 営業マンのオリヴァー(マーティン・フリーマン)
- 車屋のピーター(エディ・マーサン)
たちになります。
ゲイリー以外は、大人になって家庭や仕事をしっかりと持っています。
突然現れたゲイリーの誘いに乗り気ではなかったですが、久しぶりに全員集合して地元に向かうことになります。
意外と重要なオリヴァーの妹のサム
オリヴァーの妹のサム(ロザムンド・パイク)がヒロインです。
ゴーン・ガールに出てた女優さんですね。
サムは、兄が帰ってきているので、ついでに地元に帰ってパブに顔を出しています。
昔、ゲイリーと若気の至りをしていたり、スティーヴンからずっと片思いされていたりと、青春時代の象徴とも言えますね。
サムも地元から出ているので、地元が変わっていることや何かが起きていることを知らなかったのですが、巻き込まれていくことになります。
地元住民に何が起きているのか
地元住民がエイリアンというわけではなく、地元がエイリアンに裏で支配されている状態です。
DNAから作られたロボットのようなものに住民が置き換えられているという感じになっています。
中には、エイリアンに従うことを条件に交換を望まない人間もいますが、見極めるのは難しいですし、大半が置き換えられています。
アホ二人組とか、大麻売りとか、マッドバジルとか少ない人間は交換されていませんので、ゲイリーたちは何が起きたかを知ることが徐々にできるようになります。
映画:ワールズ・エンドのネタバレ・感想
とにかく面白いし、テンション上がります。
観ながらエールビール飲めばより楽しめます。
エイリアンと戦うというよりは、エイリアンが用意したロボットですね。
ブランクと作中では言われています。
パブも住民もスタバ化されて、表向きは良さげでも、管理され無機質になっています。
その中に異質な5人組が来たことと、ぶっ飛んでいるゲイリー・キングが帰ってきたことで静かな田舎のニュートンヘイヴンの秘密が暴かれ、大きな事件に発展します。
ダメな奴が頑張る姿は、個人的に大好物で、ギャグやアクションも良いので好きな映画ですね。
好き勝手に自由に生きる
好き勝手やって自由にさせろって言う主張は、抑圧されて金もたいして持っていない、ステータスもない自分としては共感できる。
でも、管理されてロボットになったほうが楽ではあるんだろうとも思う。
自由に好きにやらせろって主張しているゲイリーも実生活では自由でもなければ好きに生きているわけでもない。
それに賛同した、アンディやスティーヴンもそうだ。
でも、人間は好き勝手やって自由を求めるのだろうってなんとなく感じるのは、自分にも自由があまりないと感じているからだろうか。
トイレでの戦いは最高
はじめておかしなことに気づくことになるオッサン5人組対若者ロボット5人組の戦いは最高ですね。
首が床に落ちてるとこは、トイストーリーっぽいし。
ピーターが逃げるところは、ロード・オブ・ザ・リングっぽい(笑)。
戦いながらのセリフとかも面白いし、基本的にトイレ以外もアクションシーンは良いので他ストレス発散にもなると思います。
映画:ワールズ・エンドの幼馴染5人組は最高!
サイモン・ペグとニック・フロストはいつもの通り最高ですし、ふざけながら戦うゲイリーとブチ切れしたり、どんどん酔っぱらっていくアンディも最高です。
スティーヴンみたいな役どころもいなくてはならないし、こういう立ち位置の奴いるなって感じもしてまた良い。
オリヴァーもピーターもそれぞれキャラクターがあって面白いですね。
オリヴァーの妹の話題とかのリアクションもそうだし、ピーターの若干大人しい感じも後々活きてきて面白いです。
いや、この5人組もっと観ていたかったなぁ。
「ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!」最高!
コメディとしても、アクションとしても、SFとしてもワールズ・エンドは高い完成度で楽しめます。
あと共感できる部分もあるし、考えさせられる部分もなくもない。
オッサンがメインの話なのに青春を感じることも出来ます。
見る側も、酔っ払いながら観ると5倍ぐらいは楽しめるのではないでしょうか(笑)。
サイモン・ペグ、エドガー・ライトのファンであれば3部作の締めくくりとしてオススメですし、そうでない方もワールズ・エンドだけでも余裕で楽しめます。
とにかく百聞は一見に如かずですので、
言いたいことは、
「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」、オススメです!
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