語る必要もないほどアイコンにもなっている「ファイトクラブ」は名作ですよね。
タイトルやイメージで避けている方は、絶対に観た方がいい映画です。
よく考察をされているファイトクラブですが、考えるよりは感じろって個人的には思います。
とにかく観ればわかるんです!
映画:ファイトクラブの概要
公開 | 1999年 |
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監督 | デヴィッド・フィンチャー |
主演 | エドワード・ノートン |
TOMATOMETER | 79% |
無機質な仕事、世間体、社会のルール、価値観の押し売り、洗脳なのか思い込みなのかわからない日常と言われる退屈な日々を過ごしているエドワード・ノートン演じるナレーター。
カウンセリングの集会、不眠症に悩まされたことがキッカケで出会った謎の女マーラ。
出張中に飛行機で偶然に出会った同じブリーフケースを持つ謎の男。
その男との奇妙な共同生活やファイトクラブの設立。
銃口を口の中に突っ込まれている状況はなぜ起こったのかを脳内の記憶を巻き戻して見ていきましょう。
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回想や脳内を覗いている感じ
ナレーターとい役割や名前が指すように、観客は主人公の記憶を一緒に辿っていくことになります。
ただ、記憶や脳内のイメージが必ずしも現実であり正しいものではないということです。
記憶の改ざんや思い込み、幻覚、幻聴、など脳は自分の意思とは別に様々なものを作り上げてしまうからです。
自分とは何かということも、突き詰めれば理解できません。
また、脳をコントロールすることが本当に出来ているとも限りません。
自分の記憶も目の前の景色も他の人と同じとは限りませんし、自分が考えていることでさえ自分で本当に考えているのかもわからないからです。
この不思議な感じを体感できるファイトクラブは笑って楽しく観れる要素も多くありますが、哲学してしまいそうになるいろいろな魅力が詰まった映画です。
ファイトクラブの主要な登場人物
ファイトクラブの主人公は、ジャック・トラヴィス・コーネリアスなど、どれが本名かわからないナレーター(エドワード・ノートン)と謎のカリスマ男のタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)になります。
飛行機で隣に偶然なるという、一期一会、一度きりの友人であったはずの二人が何故か共同生活を送ることになり、タイラー・ダーデンという男の謎が明らかになっていきます。
また、魔性の女というか面倒くさい女のマーラ(ヘレナ・ボナム=カーター)との出会いも大きな要素になります。
マーラはファイトクラブを観る初回と2回目以降で、まったく異なる印象を受けることになる一風変わったヒロインですね。
本名不詳の主人公:ナレーター
主人公は大手企業に勤めており、安定した生活を送っています。
ですが、繰り返しの日々や漠然とした常識や価値観に縛られており、疲弊して不眠症になってストレスを抱えています。
そんな中、出会った男のタイラー・ダーデンに影響を受けて、自宅が火事で焼失してしまった際に連絡を取ってみます。
これがキッカケになり、不思議な男同士の二人暮らしと、今までの価値観や考えを変えていくキッカケになります。
また、冒頭でタイラー・ダーデンに銃を向けられることになった顛末をナレーターの作り上げた記憶を通して目にすることになります。
圧倒的なカリスマ性:タイラー・ダーデン
ナレーターが出張中に飛行機で隣になった男は、機転も効くし自由でユニークな価値観で生きているタイラー・ダーデンという謎の人物です。
主に、石鹸の販売を生業としているというが実態はよくわからない男です。
ホテルでテロ的な配膳の仕事をしたり、映画のフィルムに一瞬ポルノを混ぜ込むという常識にとらわれない暮らしをしています。
見た目も生き方も男としての魅力に溢れており、価値観への疑問や社会への不満を抱いているものを惹きつけるカリスマ性を持ち合わせています。
カリスマ性を活かして、ファイトクラブの創立やその後のメイへム計画の指導者として尊敬や畏敬の念を集める男です。
ナレーターとの関係もそうですが、物語が進むにつれて、タイラー・ダーデンとはどういう存在であるのかが判明していくということも映画の軸となっています。
真実を知る面倒な女:マーラ・シンガー
マーラは、ナレーター同様の悪趣味の持ち主で、ガン患者の会などに暇つぶしや癒しを求めていくような変わり者です。
その会を通じて出会い、関係していくことになりますが、それ以外のことは不明なままの変わり者の女、狂った女という印象です。
ですが、ファイトクラブのストーリーの中で重要な存在であり、ファイトクラブを観る前と観た後、2回目観る時では印象がガラリと変わるでしょう。
ナレーターとタイラー・ダーデンをよく知る人物として重要な存在であり、真実を知る存在であると言ってもいいでしょう。
映画:ファイトクラブのネタバレ・感想
ファイトクラブはただの殴り合う映画ではなく、クラブとしても殴り合うだけのクラブではなく、己の存在意義や社会のくだらなさや虚構を感じさせてくれます。
誰もが、何かに囚われている。
誰もが、何かに縛られている。
それは何か?
それを捨ててこそが始まりだ、と語りかけてくれます。
俺たちはクズだ、それはわかってる。
でも、クズに対しても価値がある、いつかはヒーローになれる、幸せになれる、と垂れ流す価値観や社会の嘘に腹が立っている。
俺たちは、そんなものがない、そんなことは起きないと知っている。
どん底に落ち切って死を感じる時に生きていることを感じられる、そういうことを映画を通して伝えてくれる気がします。
ファイトクラブは、ただ男が殴り合うような映画ではなく、皮肉なユーモアたっぷりのコメディ要素も楽しめますし、哲学や価値観を見直すキッカケを与えてくれる映画に感じます。
個人的には、ファイトクラブやり出すまでの前半中盤が好き
ファイトクラブが設立されて、タイラー・ダーデンから宿題を出されるぐらいまでが個人的には、好きです。
男同士でワチャワチャしてる感じが、観ていて楽しいからです。
宿題後は、ファイトクラブが組織化されて行きますし、マーラとの面倒も出てきますので、勢いはあれど疲れます(笑)。
ですから、タイラーとナレーターがふたりで話して遊んでいる感じがするまでをもっと観ていたいと思いましたし、お気に入りです。
ファイトクラブ、オススメです!
映画のファイトクラブは最高に面白いですし、特に男性や若い男の子にオススメです!
高校生ぐらいの時に観てからは、スペースモンキーズ結成前ぐらいまでを毎日観てるみたいな時期もありました。
話としても、疲れ切ったノートンを観ているのも個人的に好きですし、タイラーと二人でバカ話や遊びをしている段階の部分ですら、最高です。
ファイトクラブを設立し、スペースモンキーズというテロ軍団に発展して、破壊活動に突き進んでいく、ナレーターとタイラーの考えや関係性の変化と後半は怒涛の勢いで進みます。
それが、冒頭に繋がりなぜこうなったのか、
タイラー・ダーデンとは何者であり、
ナレーター自身も何者なのか、
を知るまで、止まれません。
解釈や捉え方も自由にできるし、ポップアイコンと化しているファイトクラブですから、観て損はないでしょう。
とにかく百聞は一見に如かずですので、
言いたいことは、
タイラー・ダーデン、カッコ良すぎ!
ということと、
「ファイトクラブ」、オススメです!
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