「プールサイド・デイズ」は、原題が、「The Way Way Back」という青春映画です。
離婚した母親と暮らし、母親の恋人や境遇に対して悩みやストレスを抱えて我慢している14歳の少年が夏休みに経験した、偶然の出会いや恋を通じて一皮むけるというグッとくる映画です。
個人的に観るとなぜか号泣してしまうお気に入りの作品です。
目次
映画:プールサイド・デイズのあらすじ・概要
公開 | 2013年 |
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監督 | ナット・ファクソン&ジム・ラッシュ |
主演 | リアム・ジェームズ |
TOMATOMETER | 85% |
両親が離婚して母親と一緒に暮らすことになった少年が、母親の恋人と一緒に夏休みをリゾート地にある別荘で過ごすことになります。
何かと母親の恋人は少年に対して厳しく当たり、嫌味を連発し疎ましいという態度がにじみ出ています。
少年も快く思ってはいませんが、母親のためにと我慢をしていますが、イライラやストレスを抱えています。
案の定、別荘での休暇は少年にとって楽しいものではない感じでしたが、プールで働く男との偶然の出会いが少年を変えていきます。
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プールサイド・デイズの主人公は14歳の少年
プールサイド・デイズの主人公は、少々内気な14歳の少年ダンカン(リアム・ジェームズ)です。
ダンカンは、母親の恋人のトレントと馬が合いませんし嫌っていますが、母親のためを思い我慢をしています。
ですが、トレントに嫌味をやたら言われますし、10点満点中で3点の人間だという言葉にひどく傷をつき苛立っています。
嫌味なトレントたちと過ごすこともストレスですし、トレントの浮気やそれを知りながらも見て見ぬふりをする母親にも苛立っています。
偶然に出会ったプールの監視員の誘いで、バイトを始め、唯一の居場所を得ます。
また、ひと夏の淡い恋と兄のような父のような不思議な男との出会いやバイトを通じた出会いや経験がダンカンを変えていきます。
とにかくダンカンの内に秘めた感情が伝わるし、いい具合のダサ坊感と少年の可愛らしさがグッときます。
まだまだ、自分の力で何かを切り開けるわけではないんですが、少年が変わるキッカケ、成長していく様に感動と共感を個人的にしてしまいます。
ダンカンの母親と恋人のトレント
ダンカンの母親のパム(ト二・コレット)は、ダンカンを愛していないわけではありませんが、年齢的な考えもあるのかトレントに惚れているのかわかりませんが、恋愛を重視しておりダンカンのことをそこまで考えていません。
また、経済的な面も考えてなのかトレントを手放したくないと妥協しているような節も見受けられます。
トレント(スティーヴ・カレル)は、ダンカンに嫌味っぽいですし邪魔だと考えています。
ダンカンへの3点発言からもわかるように嫌な野郎です。
しかも、バレバレな浮気してましたしね。
でも、パムには本気で惚れているのか浮気をした後も別れずに謝っていました。
14歳の微妙な時期に親の恋愛や恋人に嫌味を言われ、よろしくないとこを見せられるダンカンがイラつくのも当然でしょうな。
偶然出会ったプールで働くオーウェン
たまたまダンカンは、プールで働くオーウェン(サム・ロックウェル)と出会い親しくなります。
何かを察したのか、孤独なオーラを放つダンカンを気にかけてくれるオーウェンは、バイトをしないかと声をかけダンカンに居場所ができます。
冗談連発の適当でいい加減な男という感じですが、頼れる兄貴的な雰囲気を持ち面倒見がよいナイスガイです。
サム・ロックウェルに似合いますよね。
ダンカンと真逆で自由を謳歌しているようですが、ダンカンと似たような経験をしてきた様子もうかがえて、気にかけてくれているようです。
また、ダンカンも分け隔てなく、同じ目線で対話してくれるオーウェンに惹かれています。
オーウェンとの出会いや何気ない会話がダンカンに強い影響を与えていきます。
バイトで出会った仲間たち
ダンカンはバイトで無茶な経験や無理矢理のダンスなどを経てポップンロックというニックネームで従業員からも客からも親しまれて居場所ができます。
また、気の良い従業員たちとも親しくなり楽しく過ごします。
オーウェンに惚れているしっかり者のケイトリンやスライダーの係員のロディと売店のルイスなど個性的な従業員が楽しませてくれます。
みんなダンカンとは違い、年齢的にはいい大人ですが、ダンカンの周りにいるような大人と違う人間性の持ち主たちでダンカンは刺激を受けます。
ロディをナット・ファクソン、ルイスをジム・ラッシュ演じており、ふたりは今作の監督と脚本も担当しています。
ちょっと年上の女の子スザンナとの恋
ダンカンと同じような境遇で過ごしている女の子のスザンナ(アナソフィア・ロブ)とダンカンは出会い仲良くなります。
スザンナの母親のベティも厄介ものみたいな扱いで出てきますが、トレントとはダンカンの母親に比べれば空気を読まないだけで、そんな悪い人でない感じがありましたね。
まっダンカンが一目惚れした感はありますけど、恋はそこまでメインでもない感じがまたリアリティあっていいんですけどね。
ダンカン的にも他に気がかりがあるわけですから(笑)。
スザンナはクールですしちょっとダンカンより大人。
でも、ぼやっとしてるだけのダンカンがプールで働いていることを知ってから徐々に距離が近づきます。
スザンナのむっちりした感じ凄く可愛いです。
映画:プールサイド・デイズのネタバレ・感想
プールサイド・デイズは少年の成長の話しと言ってしまえばそれまでですが、胸にグサグサ刺さります。
特に非リア充的な思春期を送った男子ならよりそうなると思います。
3点の人間は冒頭の別荘に行く途中で言われる言葉で、それ以降にもいろいろあってトレントの浮気が露呈した際に、ダンカンは切れます。
その後、オーウェンに会って、胸の内に溜まっていたものを吐き出すのですが、いろいろあったのに一番に口に出たのは3点発言だったのが14歳らしいと思いました。
確かに酷い発言ですから、根に持つのわかるけどね(笑)。
まぁ元々嫌っていたんでしょうが、3点発言でダンカンもコイツねえなって心底思ったことでしょう。
それに追い打ちをかける出来事が起きるわけですしね。
オーウェンにそのことを告げ慰められたのちに、急に帰ることになるのですが、プールの近くに来たところでダンカンがプールに向かい母親やトレントがダンカンがプールで働いていたことを知ります。
そこで、トレントに向かってオーウェンが3点の親友のオーウェンだって言うところが地味だけどスッとするよね。
プールで働いていた息子や友人たちとのやり取りが母親にも変化をもたらして物語は幕を閉じるのも素敵ですよ。
映画:プールサイド・デイズ、オススメです!
はっきりと手放しで、プールサイド・デイズはオススメですね。
悪いとこがないんじゃないかと思うぐらいに。
何か切ないけど愛おしい、短い夏を感じさせる映画です。
年の離れた友人、兄的存在、父親代わりとは言えないが気を許せる頼れる大人の存在が少年を救ってくれたという素敵なお話です。
特に劇的なこととか、目に見えた助言をするわけでなく、優しく見守ってそばにいるだけなんですけどね。
しめるとこはしめてるからオーウェンかっこいいけど(笑)。
別れの際のダンカンがオーウェンに言う、
ありがとう、何もかも。
ってセリフで十分なんですよ。
あとは観て感じてほしい!
とにかく、百聞は一見に如かずですので、
言いたいことは、
「プールサイド・デイズ」、オススメです!
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