「レザボア・ドッグス」は、タランティーノが自主制作映画として制作していたものを、ハリウッドで自身の手でリメイクした作品です。
素性の知らない強盗たちが裏切り者を探り合う駆け引きや、残酷ながらフレッシュなクライムシーン、スタイリッシュな構成や音楽で高い人気と評価を得た映画です。
カルト的な人気のタランティーノの初監督作品として外せない作品ですし、面白いので必見です!
目次
映画:レザボア・ドッグスのあらすじ・概要
公開 | 1992年 |
---|---|
監督 | クエンティン・タランティーノ |
主演 | ハーヴェイ・カイテル |
TOMATOMETER | 91% |
お互いに素性を知らない6人の強盗が集められ、宝石を強奪する計画が立てられており実行されました。
完璧かつ綿密な計画であったはずなのに、警察に事前にバレていたことによりピンチに陥り、命からがら逃げたり、命を落としたり怪我をしたメンバーも出てしまいます。
宝石を手にはしましたが、警察に追われている状態になってしまいます。
そんな中で、集合場所に辿り着いたメンバーは、今後をどうするか、裏切り者がいるが誰だということを探り合いだす、心理戦が始まります。
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キーマンになるのは4人の強盗
6人の強盗は、素性を知らない同士です。
元締めであるジョー(ローレンス・ティアニー)に雇われている者たちで、それぞれ勝手に着けられたコードネームで呼び合っています。
つまり、ジョーが独断で選んだメンツであり、ジョーが計画をした強盗であるということです。
集められた6人は、
- ミスター・ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)
- ミスター・オレンジ(ティム・ロス)
- ミスター・ブロンド(マイケル・マドセン)
- ミスター・ピンク(スティーヴ・ブシェミ)
- ミスター・ブルー(エディ・バンカー)
- ミスター・ブラウン(クエンティン・タランティーノ)
です。
この内、ミスター・ブルーとミスター・ブラウンは、集合場所に来ることが出来ずに警察に撃たれて死んでしまいました。
集合場所に辿り着いた4人の内の誰かが裏切り者なのか?
それとも別の奴なのか、ハメられたのか?
という、絶体絶命な状況の中、お互いの探り合いが始まります。
人情派で義理堅い:ミスター・ホワイト
ミスター・ホワイトは、ミスター・オレンジとともに集合場所に辿り着きました。
性格は比較的真面目ですが、それなりの経験や犯罪歴があります。
自分のせいでミスター・オレンジが撃たれてしまったと責任も感じており、計画が失敗したことも裏切り者がいたせいという考えを持ってはいませんでした。
計画が狂ったにも関わらず、当初の予定通りにこの場所に留まってジョーを待つという考えで気真面目で義理堅い印象です。
死にかけのホワイトに対して素性を話してしまっているという凡ミスもしています。
撃たれて瀕死:ミスター・オレンジ
ミスター・オレンジは、ミスター・ホワイトと逃走中に警察に腹を撃たれており、血だらけで瀕死の状態です。
病院に連れて行ってくれ!と懇願しますが、聞き入れられず放置されています。
ある意味で一番ヤバい状態ではありますが、裏切り者探しやブロンドが起こすトラブルなどもあり、基本的には血を流したまま寝転がってます。
撃たれたことで動転して、気弱になったり呻いたり叫んだりと大変ですが、世話をしてくれるホワイトと奇妙な絆が生まれています。
裏切り者に勘付く:ミスター・ピンク
ミスター・ピンクも命からがら集合場所に辿り着いており、宝石が入った鞄も執念で持ってきています。
誰よりも早く、裏切りや現場での不審さに気がついていて冷静に状況を分析できています。
計画は失敗したし、早くズラかった方がいい、付き合いきれないと一番まともなことを言っています。
今思えば、ミスター・ピンクは相当なキレ者であると言っても良いかもしれません。
それにしても、スティーブ・ブシェミはカッコ良い。
過激な殺人狂:ミスター・ブロンド
ミスター・ブロンドは、強盗の現場で銃を乱射し大量殺戮をおっぱじめたらしく、仲間からもドン引きされています。
ですが、唯一、ブロンドはジョーの直接的な部下であり、ジョーの息子であるナイスガイ・エディ(クリス・ペン)とも兄弟のような関係性で友人です。
警官を拉致してきており、拷問をするなど過激な面が強いですが、どっしりと構えており誰よりも迫力があります。
計画をぶち壊すような暴走をしてはいますが、ジョーたちを裏切る気はないようですが、振る舞いが自由過ぎるといった感じでしょうか。
ナイスガイ・エディとの友情が結末にけっこう大きな影響を与えていますよね。
それにしても、マイケル・マドセンはカッコ良すぎる。
なぜ失敗したのか?裏切り者は誰なのか?
映画のレザボア・ドッグスで最大の争点は、なぜ計画が漏洩し失敗したのかということです。
計画を漏らした鼠野郎(Rats)が、紛れていたということです。
そいつは誰なのか!?ということが問題です。
また、裏切り者がいると言っているのは、最初はミスター・ピンクだけであり総意というわけでもありません。
いないかもしれない、という可能性や希望を持っている人間もいるぐらいです。
裏切り者を見つけたとしても、警察に追われていて無事に逃げ切れる状況であるかもわかりませんし、現に死人や死にかけの怪我人もいます。
計画が崩れており、立案者のジョーも集合場所に遅れており、それぞれはいろいろな考えを巡らせていくことになります。
身内同士が疑心暗鬼になり揉めに揉める!
ミスター・ブルーとミスターブラウンは既に死んでおり、ミスター・オレンジは瀕死。
ナイスガイ・エディが駆けつけた時には、ミスター・ブロンドも死んでいました。
どんどん死んで行くし、どんどんピンチになる。
エディが裏切り者はオレンジだと言えば、ホワイトはオレンジを庇う。
ジョーにも歯向かう、ホワイト。
どんどん事態がより深刻に、おかしな方向へと進んで言ってしまいます。
レザボア・ドッグスはダイナーからのオープニングが最高!
これは完全に個人的な好みですが、レザボア・ドッグスはオープニングが最高に好きです。
ぶっちゃけ、ダイナーでのあのどうしようもない感じのダラダラしたトークだけで90分ぐらいの映画にしてくれないかと思うほど面白い(笑)。
タランティーノ演じるミスター・ブラウンの下品なマドンナのライク・ア・ヴァージンの解釈トークは有名ですが、本当にダイナーのシーンは雰囲気が良い。
あのオープニングで、大体のキャラクターの説明も済ましているし、それぞれの悪党に対してなんか情を持たしてくれます。
なんかそんな悪い奴らじゃないんじゃない?みたいなね。
チップを払う払わないの会話からの、ラジオの音源に合わせたオープニングは最高にカッコいい。
そのカッコいいオープニングから、無様に失敗して逃げるシーンへの切り替わりも素晴らしい。
映画:レザボア・ドッグスのネタバレ・感想
まぁレザボアドッグスは古い映画で有名な名作なんで、誰が裏切り者か皆さんご存知でしょうが、そこは言わないでおきましょう(笑)。
野暮ですからね。
過激な暴力とか残酷とか言うけど、そこまでというかそういう部分で魅せる映画じゃないんですよね。
巧みなシーンの構成と、心理描写、それぞれのキャラクターや関係性などで引き込んでいく映画です。
予算の問題もあったのかもしれませんけど、金がかかるシーンを排除しているのにもかかわらず、安っぽさがなく、むしろ良い。
まぁネタバレ的に言うなら、とにかく裏切り者が誰だかわかったときの、やるせない気持ちを一緒に味わえますよね。
そして、スッキリはしないけど綺麗に終わったなって感じですかね。
映画:レザボア・ドッグス、オススメです!
タランティーノの初監督という部分を考えなくても、タランティーノで最初に何を観ようかなって思ったら、レザボア・ドッグスが良いと思います。
一番、観やすい作品とも言えますしタランティーノ作品の中ではコンパクトな方ですからね。
カッコ悪い部分がないぐらいにカッコ良い。
今でも、タランティーノ作品で一番と言っても良いかもしれません。
レザボア・ドッグスは有名ですから、一度は観ておいた方がいい作品のひとつって認識が個人的にはありましたので、観て損はないと思います。
とにかく、百聞は一見に如かずですので、
言いたいことは、
「レザボア・ドッグス」、オススメです!
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