「フォーリング・ダウン」は、渋滞でイライラしている男が様々なストレスや理不尽さに対する怒りが爆発してしまい、とんでもない出来事に発展していく映画です。
ただ家に帰りたいという男は、一見すると普通の男に見えるがどこかおかしい。
どんどんエスカレートしていく行動や異常性が露見されて、暴走のレベルがアップしていきます。
目次
映画:フォーリング・ダウンのあらすじ・概要
公開 | 1993年 |
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監督 | ジョエル・シュマッカー |
主演 | マイケル・ダグラス |
TOMATOMETER | 73% |
見るからに暑そうなロサンゼルス。
渋滞にハマってしまい、喧騒の中でストレスを溜めている男は車を乗り捨てて歩くことを選択します。
男の目的はただ家に帰るということだけ。
だが、立ち寄ったコンビニ、一休みしていた空き地、バーガーショップなどなどで、
怒りやストレスを溜めて爆発していき、トラブルを起こし暴走していきます。
そして、家を目指している理由も判明していき、どんどん普通だと思っていた男が狂っていて、
ヤバい奴であることが判明していきますし、エスカレートしていきます。
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怒れるクレイジーガイ:D=フェンス
映画のフォーリング・ダウンの主人公、ウィリアム・フォスター、通称D=フェンス(マイケル・ダグラス)は、パッと見は普通の中年のサラリーマンというような風貌です。
ですが、非常に短気であり激情的な一面があるため、妻と離婚し子供とも会えない接近禁止命令を受けているという異常性があります。
本人は娘の誕生日を祝うために元妻と子の元に向かっている途中であり、強迫ともとれる電話をナチュラルにしているというサイコパス的な面が散見されます。
妻子とも別れ、仕事も一ヶ月前にクビになっているD=フェンスは、おそらく自暴自棄になっており、ある種のスイッチが入ってしまっています。
家に向かう道中の偶然やトラブルも災いして、引き返せないような事件を起こしつつ元妻と子に会いに行こうとしています。
エスカレートしていくD=フェンスの行動!
車を乗り捨てて歩き出したD=フェンスは、コンビニに立ち寄ります。
両替をしてくれと頼みますが、何か買って崩せと言われて、渋々コーラを買いますが、値段を聞いて憤慨します。
また、韓国系の店主の態度なりにも怒りを覚えて、店主の護身用のバットを奪って店を破壊し出ていきます。
テッテレー!D=フェンスはバットを手に入れた!
次に、空き地のようなところで休憩をしていると、メキシコ系のギャングの縄張りだったらしく絡んできます。
D=フェンスは手に入れたバットで撃退し、ギャングが落としていったバタフライナイフを手に入れてレベルアップをします。
凄まじい悪運で銃撃を回避し大量の銃をゲドる
D=フェンスに撃退されたギャングは仕返しのためにD=フェンスを探しており、商店街で電話をかけているD=フェンスを発見して、用意していた銃火器で銃撃を始めます。
通行人や周りの客などが巻き込まれて行く大惨事になりましたが、悪運の強いD=フェンスは無傷でした。
逆に銃撃をしていたギャングたちが車の運転を誤り事故に合い壊滅してしまいます。
瀕死のギャングの元にD=フェンスは近寄り、大量の銃を手に入れてギャングに悪態と一発お見舞いして颯爽と去っていきます。
D=フェンスは大量殺戮できるほどの銃火器を手に入れるという確実なレベルアップをしていきます。
本日が退職の内勤刑事:プレンダガスト
D=フェンスと同じ渋滞に居合わせた退職予定の内勤刑事プレンダガスト(ロバート・デュヴァル)も、何の因果か事件に巻き込まれて行きます。
刑事といえど内勤であり退職を迎えるベテランではありますが、若干舐められています。
ですが、D=フェンスの行動を読み取り、暴れ続けるD=フェンスを慕ってくれている若手女性刑事のサンドラ(レイチェル・ティコティン)と一緒に追っていきます。
ヒステリック気味の女房と二人で暮らしており、プレンダガスト自身も何かと苦労している人物です。
元妻エリザベスと娘のアデルに迫る危険!
D=フェンスの目的は娘の誕生日にかこつけて、元妻と娘に会いに行くということですが、二人を殺して自分も死ぬというような考えも持っているようで危険です。
そうでなかったとしても道中で殺人やらトラブルやらの事件を起こしまくっているD=フェンスが、接近禁止命令を破って向かっているというだけで恐怖の対象でしかないでしょう。
元妻のエリザベス(バーバラ・ハーシー)は、地元の警察に何回か助けてくれと連絡しますが、大したことないと相手にされません。
そうこうしているうちに、D=フェンスが近くにいることが分かり、エリザベスは娘を連れて逃げ出します。
映画:フォーリング・ダウンのネタバレ・感想
いやぁ、何とも不思議な映画だと思いますね、フォーリング・ダウンは。
とにかくサイコパスというかヤバい頭のD=フェンスが静かにだが確実に暴走していく様と、常識的なようで狂っている振る舞いとが不思議さをより強めているのかもしれません。
自暴自棄になった市民ほど怖いものはないということなのか、それとも移民や理不尽さ、アメリカ社会そのものに対して内包したけっこう一般的な思想や問題を描いているのかもしれません。
とにかく真面目な一市民を自称しているD=フェンスは、どんどん狂って行きますし、ヤバいのですが、何とも言えない感じがあります。
また、D=フェンス以外にもクレイジーな店主やネオナチとかも出てきますし、警察のメンツもまともとも思えない感があるんですよね。
話としたらヤバい話なんですが、どこかにユーモアやコメディ感もある映画でもある気がして、余計に不思議な印象を持ってしまいます。
映画:フォーリング・ダウン、オススメです!
マイケル・ダグラスのサイコパスとか気味悪い感じがとてもよく出てるフォーリング・ダウン。
観て楽しいとか、何か考えさせるとかそういう感じでもないし、エンターテインメント性もなくはないという不思議な映画。
でも、マイケル・ダグラスに引き込まれますね。
フォーリング・ダウンのマイケル・ダグラスの演技は抜群に気味悪いんだよなぁ、喋り方とか表情とか全部が。
それがいいんですけどね。
元妻と再会した時のキスの仕方ひとつとっても、おおーコイツヤバいな!って思っちゃう(笑)。
とにかく百聞は一見に如かずですので、
言いたいことは、
「フォーリング・ダウン」、オススメです!

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