「ヒストリー・オブ・バイオレンス」は、DCコミックが原作の映画です。
平穏な日常を過ごしていた男がある事件をキッカケに、過去の因縁から逃れられなくなってしまうという話です。
男の過去の因縁と現在の家族との暮らしや絆への影響が描かれています。
タイトル通りに、過去に行ってきた暴力が関係していますし、暴力の闇という部分を感じさせる映画になっています。
目次
映画:ヒストリー・オブ・バイオレンスのあらすじ・概要
公開 | 2005年 |
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監督 | デヴィッド・クローネンバーグ |
主演 | ヴィゴ・モーテンセン |
TOMATOMETER | 87% |
インディアナ州の小さな町で、家族4人で平穏に暮らしている男がいます。
弁護士の妻に、高校生の息子とまだ幼い娘という理想的な家庭生活を送っています。
男はトム・ストールといい、ダイナーのオーナーとして住民や従業員ともうまくやっている理想的な旦那であり、父親です。
町の付近に、二人組の男がやってきており、この二人は犯罪者です。
金に困った二人は、トムのダイナーで強盗を行おうとしますが、トムはとっさに行動し二人の強盗を殺し、客や従業員を救った英雄としてニュースになります。
その事件が起きてから、トムは町の英雄として注目されると同時に、トムのことをジョーイと呼び、トムや家族に付きまとう怪しげな男たちが現れます。
事件をキッカケに、平穏だった生活が不穏なものに変わって行きます。
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英雄?良き父親?トム・ストールの正体とは
ヒストリー・オブ・バイオレンスの主人公、トム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)は、事件が起きる前の模写を見ると、妻ともラブラブで、子供たちからも慕われている優しい父親という感じです。
ですが、事件をキッカケに少しずつ、本当にトム・ストールってただの英雄で良いお父さんなのか?という感じになります。
実際、強盗を撃退するシーンに関してはトムに非はなく、本当に英雄行為です。
トムが動いていなければ、金を盗られるだけでなく従業員の命も危ない状態でした。
ただ、その動き、身のこなしはとっさだったとしても、ただ者ではないという印象です。
事件後有名になりマスコミが押しかけますが、トムは静かに過ごしたいと考えています。
自分のことをジョーイと呼んで付きまとってくる怪しげな連中が訪れてから、徐々にトムの本当の正体が見えてきます。
正体不明の不安がトムの家族を襲う
トムには、妻の弁護士をしているエディ・ストール(マリア・ベロ)、高校生の息子のジャック(アシュトン・ホームズ)と幼い娘のサラがいます。
妻とはラブラブで、子供が二人いる今も昔と変わらず愛し合ってます。
高校生のジャックは思春期で、学校で絡んでくるアホもいて悩みもありますが、可愛らしい彼女もいて、家族との関係も特に悪くありません。
サラは、まだ幼く家族に甘えているといった感じです。
事件後に、家族はトムに付きまとっている男たちや、自分たちにも付きまとってくる怪しい奴らに恐怖していますが、トム自身の変化にも疑問を持っています。
ジョーイと呼ばれている理由は何なのか?
家族に隠していることは本当にないのか?
という部分の疑念や不安から、家族の歯車も狂って行ってしまいます。
トムに付きまとうマフィアと自身の過去
事件で話題になったトムの店に、マフィアのフォガティ(エド・ハリス)が訪れてきます。
フォガティはトムのことをジョーイと呼び、
フィラデルフィア・マフィアのボス、リッチー・キューザックの弟、
ジョーイ・キューザックだろ?
と言ってきます。
トムは人違いだと否定しますが、フォガティは真実を知っているのか、フィラデルフィアにトムを連れて行くために、付きまとい狙っています。
フォガティは、妻や子にも付きまとい、ジャックを人質にトムにフィラデルフィアに来いと迫りますが、その時にトムはジョーイとして暴力を覚醒させて、皆殺しにします。
家族に正体を知られ、家族から距離を置かれたトムは、ジョーイとしての過去に蹴りをつけるために、兄でありマフィアのボスであるリッチー(ウィリアム・ハート)に会いにフィラデルフィアに向かいます。
映画:ヒストリー・オブ・バイオレンスのネタバレ・感想
平穏な生活に不意に訪れる陰という部分と、社会には日常的に暴力による事件が蔓延していることを感じて、正体不明の緊張感を常に感じます。
いわゆるスッキリするような映画ではなく、考えさせられる部分やある種の現実味を感じさせられます。
強盗撃退後、トムも周りにも変化が起きてしまい、ジョーイとしての過去の片鱗を家族に知られてしまいます。
ひとり、リッチーに会いに行きますが、会話で収まるわけもなくリッチーやマフィアたちはトムを殺そうとしてきます。
多勢に無勢ですが、トムことジョーイは強い。
派手さはないが、ジョン・ウィック並に強い。
他の奴らを圧倒して倒しますし、リッチーが、
何でこの状況でしくじるんだって切れるシーンは、確かにな!って思います。
自分の過去を清算する、これからの人生の最大の邪魔者のリッチーを殺し、ジョーイとしての人生の終わらせます。
疲弊しきった、トムは家を目指し、自分を拒絶した家族の元に行きます。
そこで、静かながら向かい入れられたトム。
家族の元に帰り、受け入れられたところで物語は幕を閉じます。
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映画:ヒストリー・オブ・バイオレンスを観てみよう!
映画のヒストリー・オブ・バイオレンスは、楽しい気分とか盛り上がるような作品とは言い難い印象です。
コミック自体を読んだわけではないですが、シリアスな印象が強く残る作品です。
最後には希望を感じさせる終わり方でしたが、元の通りやってけんのかな?って気持ちも残ります。
実際、映画を観ていて、トムの狂気を感じるシーンはけっこうありますし、マフィアの連中の言うとおりに、猫被ってるヤバい奴っていう感じもするからです。
トムの過去や正体を考えた時に、マフィアが連れていって家族と離れたほうが、家族的には安全なんじゃないかって思う部分も少なからずあります。
それぐらいに、トムの過去のジョーイはヤバいってのが、直接描かれていなくても伝わってくるんですよね。
金のためにも、楽しみのためにも殺しをしていたというジョーイ。
冒頭に出てくる強盗二人も、躊躇いなく人を殺し、子供も殺すクズです。
そのようなクズとトムは昔、変わらないような人間だったというのは、やはり恐ろしい部分です。
生まれ変わるために過去を忘れたのか、ジョーイという別人格があるのかはわかりませんが、全編通して緊迫感を持って観れますので、観て損はないです。
手放しに誰でも、オススメって感じでもないですし、けっこう気分やコンディションを選ぶ映画ではありますけどね(笑)。
とにかく百聞は一見に如かずですので、
言いたいことは、
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」、観てみてね!
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